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ベトナム人の方の帰化申請について解説
ベトナム人の方が日本国籍を取得するためには、帰化申請という手続きを行うことで日本国籍を取得することができます。
しかし、帰化申請の手続きは多くの書類が必要になり、どのような書類が必要になるかわからなくなることもあります。
そこで、今回はベトナム人の方の帰化申請について考えていきたいと思います。
ベトナム国籍の方の中で帰化を検討している方の参考になれば幸いです。
ベトナムから取得する書類
帰化申請をするにあたり、母国(ベトナム)から書類を取得する必要があります。
例えば、
・出生証明書(兄弟姉妹等も含む)
・死亡証明書(父母、配偶者等が死亡している場合)
・婚姻証明書(本人及び父母)
・親族関係証明書(戸口簿等、親族関係を証明する書類)
上記のような書類が必要になります。
国籍証明書も必要
ベトナム人の方が帰化申請をするためには、上記の書類の他、日本のベトナム総領事館で国籍証明書を取得しなければなりません。
この国籍証明書を取得するためには、直接ベトナム総領事館に行き、申請手続きを行う必要があります。
国籍証明書の申請にあたり求められる書類は
1,国籍証明書申請書
2,住民票
3,パスポート原本及びコピー2部
が求められることになります。(他の書類も求められる可能性がありますので、事前に確認しておくことをお勧めします。)
大阪の場合は、「大阪府堺市堺区市之町東4丁2−15」が在大阪ベトナム社会主義共和国総領事館の所在地になります。
難民認定を受けている場合は他の書類が必要になる
ベトナム人の方の中には、かつて行われたベトナム戦争等の影響で、難民(ボートピープル)として、日本に渡日し、現在も日本で生活している方が多くいらっしゃいます。
難民の方の場合、パスポート自体が存在せず、その結果、上記の国籍証明書を取得することができないといったケースが発生してしまいます。
そのような場合に、代替書類として以下の書類の提出が求められます。
1,再入国許可証
2,定住経歴証明書
等の書類を代替書類として提出することになります。
定住経歴証明書とは
上記書類の定住経歴証明書とは、申請した者が、インドシナ難民として法務大臣により定住許可を受けたものであるということを証明する文書になります。
この定住経歴書は、公益財団法人アジア福祉教育財団難民事業本部に定住経歴証明書の発給の申請をすることで、取得することができます。
その他必要書類について
母国(ベトナム)以外の書類も日本で収集し、作成してく必要があります。
帰化申請で必要になる書類は、申請者の状況によって大きく変わってきます。
例えば、会社員の方、個人事業主の方、会社経営者の方等、事業の種類によって、求められる書類の数が異なります。
会社経営者や個人事業主の場合は、会社員の方に比べ、書類の量が多くなります。
また、同居している方の書類も必要になりますので、婚姻している場合等でも必要となる書類の数が異なってきます。
一般的に必要な書類については、以下のページを参考にしてください。↓
・必要書類一覧
ベトナムで取得した書類を提出するにあたって注意すべきこと
帰化申請を行う場合、外国語のものは全て日本語に翻訳する必要があります。
そのため、ベトナムで取得した書類は全てベトナム語で記載されているため、全ての文章を日本語訳にすることが求められます。
また、地名等も当然日本語訳が必要になりますので、全てカタカナ変換をして翻訳文を作成しなければなりません。
つまり、全て日本語にして、外国語がわからない人にもわかるように翻訳をすることが必要になるということです。
素行要件には特に注意が必要
帰化申請をするにあたり、様々な条件をクリアする必要があります。
その条件の1つに素行要件というものがあります。
これは、例えば
・税金を納めていない
・年金を納めていない
・軽微な犯罪歴がある(暴行や万引き等)
・逮捕歴がある(障害、麻薬取引、強姦等)
・前科がある(起訴されて有罪判決を受けた)
・軽微な交通違反を繰り返し行っている(信号無視等)
・交通事故を起こしたことがある(過失致死等)
・暴力団の関係者である
・営業許可を取得しないで無許可営業を行っている
・その他法令や、公序良俗に反することを行っている。(出入国管理及び難民認定法違反や不貞行為等)
上記のような経歴等がある場合は、素行要件にひっかかり、帰化が不許可になる可能性が高くなるため、自身の状況について客観的に確認する必要があります。
まとめ
今回はベトナム人の方の帰化申請について考えてきました。
ベトナム人の方の帰化申請は、ベトナムから取得しなければならない書類があり、その書類の翻訳も必要になるため、かなりの労力が必要になります。
また、難民の方の帰化申請については、そもそも書類を取得することができない場合等もありますので、どのような書類が必要になるのか適宜確認していく必要があります。
今回の記事が、帰化を検討しているベトナム人の方の参考になれば幸いです。