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帰化申請をする時に必要な事業の概要について徹底解説
帰化申請をするためには多くの書類を収集・作成しなければならず、多くの労力を必要とします。
また、会社員の方と経営者(自営業者含む)の方とでは、帰化申請をするための書類が異なってきます。
例えば、経営者の方が帰化申請をする場合には、「事業の概要」を記載した書面の提出が求められます。
そこで、今回は会社経営者の方が帰化申請をする場合に必要になる「事業の概要」について考えていきます。
帰化申請を検討している方の参考になれば幸いです。
帰化申請を検討している方は、以下の記事も参考にしてください。↓
事業の概要を記載した書面とは?
帰化申請の手続きを行うための根拠となる法律は「国籍法」です。
国籍法の中でも、「国籍法施行規則第2条」に「帰化許否に関し参考となるべき事項」となる書面を提出しなければならないと規定されています。
つまり、「事業の概要」を記載した書面とは、帰化希望者が本当に帰化して日本国籍を取得することに妥当性があるかどうかを判断するために必要な書類ということができます。
事業の概要を記載した書面の提出が必要な人は?
また、「事業の概要」を記載した書面は、申請者自身が経営者の場合はもちろん、生計を一緒にしている同居の親族等が会社経営等をしている場合にも提出が必要になるので、間違えないように注意が必要です。
つまり、「生計の概要」を記載した書面の提出が必要なケースは以下のような場合です。
①帰化申請者自身が経営者(個人事業主を含む)である場合
②同居のしている親族等が経営者(個人事業主を含む)である場合
③会社の取締役等の役員として登記されている場合
上記のケースでは、「事業の概要」を記載した書面の提出が必要です。
また、複数の会社を経営している(海外の会社も含む)場合は、会社ごとに「事業の概要」を記載した書面の提出が必要になります。
事業の概要を記載した書面を作成する時の注意点
事業の概要を記載した書面は、以下の書式を使用します。↓
事業の概要を記載した書面を作成する時に注意すべきポイントは以下のとおりです。
①「年」は、日本の元号で記載する必要があります。(令和〇年等)
②複数の事業を経営している場合は、1事業ごとに作成しなければなりません。
③個人事業主の場合は前年分(1月1日~12月31日)を作成します。
④法人の場合は直前の決算期のもので作成します。
事業の概要を記載した書面の書き方について
以下では、事業の概要を記載した書面の書き方について詳しく解説をしていきます。
商号等、開業年月日、営業の内容
①商号等
会社経営者の場合は、登記事項証明書に記載されているとおりの商号を記載します。
また、個人事業主の場合は屋号を記載します。
②開業年月日
会社経営者の場合は、「法人の登記事項証明書」に記載されている設立年月日を記載します。
個人事業主の場合は、開業届を提出した時に記載した開業年月日を記載します。
法人の登記事項証明書の取得の方法は、法務局ホームページで公表されています。↓
③営業の内容
会社経営者の場合は、「会社の定款」や「法人の登記事項証明書」に目的が記載されているので、それを参考に実際に行っている事業の目的を記載していきます。
個人事業主の場合は、現在行っている事業について記載していきます。
対象となる期間、所在、経営者
④対象となる期間
会社経営者の場合は、直近の事業年度(決算期)の事業年度を記載します。
個人事業主の場合は、1月1日~12月31日までの期間が対象になります。
⑤所在
会社経営者の場合は、「法人の登記事項証明書」に記載されている本店所在地を記載します。
個人事業主の場合は、確定申告書に記載している個人事業の所在地を記載します。
⑥経営者
会社経営者の場合は、会社の代表者の氏名を記載します。
個人事業主の場合は、個人の氏名を記載します。
また、「申請者との関係」には、自身が代表者の場合「本人」と記載します。
同居の親族が代表者の場合は「父」「兄」等の関係を記載します。
許認可の年月日番号等、営業資本、従業員数
⑦許認可の年月日番号等
行政からの許認可が必要な事業を行っている場合は、交付されている許可証を参考に、許認可を取得した年月日番号等を記載します。
例えば、以下のような事業には許認可が必要です。
①中古品の売買(ブランド品の買取等)・・・古物商許可
②500万円以上の工事を請け負っている場合・・・建設業許可
③飲食店を営んでいる場合・・・飲食店営業許可
④民泊営業をしている場合・・・旅館業許可
上記の事業以外でも、許認可が必要な事業は沢山ありますので、必ず許可証等を確認しておきましょう。
⑧営業資本
会社経営者の場合は、「法人の登記事項証明書」に記載されている資本金の額を記載します。
個人事業主の場合は、営業資本はないため「0円」と記載します。
⑨従業員数
正社員だけでなく、パート、アルバイト等も含めた従業員数を記載していきます。
経営者自身は含めません。
専従者とは、経費として認められる親族の従業員になります。
事業用財産
⑩事業用財産
事業に使用している財産を記載していきます。
「財産の名称」「種類」「数量」も併せて記載する必要があります。
売上高、売上原価、販売費等、営業外収益、営業外費用、特別利益、特別損失、利益
会社経営者の場合は、決算書に含まれている「損益計算書」を参照に、該当箇所を記載していきます。
利益率については「利益÷売上高×100」で算出することができます。
なお、端数については切り捨てて記載します。
⑮負債
借入証書や定期定期に送付される返済予定表等を参照し、記載していきます。
借入年月日には、借入を実行した年月日を和暦で記載します。
借入先は借り入れを行った、金融機関等を記載します。
借入金額については、借り入れた金額の総額を記載します。
期末残高には、期末時点での借り入れ残高を記載します。
返済方法については、毎月の返済額を記載します。
⑯借入の理由及び返済状況
借り入れをなぜ行ったのかの理由を記載します。
また、返済状況についても記載していきます。
遅滞なく返済している場合は「遅滞なく返済している」と記載します。
取引先
⑰取引先
主要取引先について記載していきます。
名称又は代表者名には、取引先の法人名(個人事業者なら個人事業者の名前)を記載します。
所在には、法人(個人事業者)の所在地を記載します。
電話番号には、法人(個人事業者)の電話番号を記載します。
年間取引額には、取引先との年間の取引金額の総額を記載します。
取引の内容には、実際に行っている取引内容について記載します。
取引期間には、取引を開始した時期を記載します。
備考
⑱備考
備考欄には、取引先の金融機関等を記載していきます。
事業の概要を記載した書面の記入例
上記事由を鑑み、以下に事業の概要を記載した書面の記入例を掲載しておきます。↓
まとめ
今回は、経営者の方が帰化申請をする際に必要になる「事業の概要」について考えてきました。
帰化申請は事業の概要以外にも、多くの書類が必要になるため、途中で挫折してしまうことも多々あります。
そのようなことを避けるために、専門家である行政書士に相談する方法も有効な選択肢ですので、効率的に帰化申請の手続きを行いたいという方は、ぜひ行政書士に相談してみてください。
今回の記事が帰化を検討している方の参考になれば幸いです。
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