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特別永住者(在日韓国人)の方の帰化申請までの流れと必要書類について
特別永住者(在日韓国人)の方が帰化申請をする上で、どのように帰化申請までの手続きを進めていくのか?といった疑問を持つ方も大勢いらっしゃいます。
そこでここでは、特別永住者の方が帰化申請をするまでの流れについて簡単にまとめています。
事例でまとめていますが、一般的な特別永住者(韓国国籍)の方の帰化申請の流れにも参考とすることができますので、帰化申請を考えている方の参考になります。
今回は以下の事例を検討してみます。
- 特別永住者Aさん
- 年齢40代後半
- 3人姉妹の長女(日本在住)
- 二女は既に帰化をしている
- 離婚歴あり(前夫は韓国人)
- 現在再婚している(現夫は日本人)
- 職業:会社員
- 子供:なし
- 居宅:一戸建て購入(ローン)
- 帰化申請者の父母は日本で結婚している。(父母ともに初婚、日本在住、父は死亡)
まずはこのケースにおいて必要な書類をまとめていきます。
必要になる書類は?
- 親族の概要を記載した書面
- 履歴書
- 帰化許可申請書
- 基本証明書
- 家族関係証明書
- 婚姻関係証明書
- 入養関係証明書
- 親養子入養関係証明書
- 本国の除籍謄本
- 韓国書類の翻訳文
- パスポート
- 出生届記載事項証明書
- 死亡届記載事項証明書
- 婚姻届記載事項証明書
- 離婚届記載事項証明書
- 住民票
- 現夫の戸籍謄本
- 帰化をした二女の戸籍謄本
- 生計の概要を記載した書面
- 給与明細書
- 源泉徴収票
- 納税証明書
- 課税(非課税)証明書
- 自動車運転免許証の写し
- 運転記録証明書
- 土地・建物登記事項証明書
- 居宅付近の略図
- 勤務先の略図
が必要になります。
必要となる書類の詳細
上記書類の中の詳細を記載していきます。
親族の概要を記載した書面について
この書類については、申請者を除く親族の住所、年齢、生年月日、交際の有無、申請者の帰化に賛成or反対、死亡している場合は亡くなった日付、帰化している場合は帰化の日付、電話番号などを記載していきます。
つまり、このケースでは
申請者の母の住所(父は死亡)、2人の姉妹の住所(1人は帰化をした日付)、現夫の住所、現夫の父母の住所、前夫の住所などを記載していきます。
仮に、前夫とはすでに交際がなく住所などが不明な場合は、不詳と記載します。
親族の概要を記載した書面についての詳細は以下の記事で解説しています。↓
履歴書について
履歴書については出生から現在までの、職歴、結婚日、離婚日、住所の変遷を記載していきます。
また、海外を訪れている場合は過去5年間の渡航歴なども記載していきます。
履歴書と記載例↓
帰化許可申請書について
帰化許可申請書については、帰化後の名称や本籍地などを記載していきます。
このケースでは日本人と結婚していますので、帰化後は夫の戸籍に入ることになりますので、本籍地は夫の本籍地となります。
帰化許可申請書の詳細は以下の記事で詳しく解説をしています。↓
基本証明書、家族関係証明書、婚姻関係証明書、入養関係証明書、親養子入養関係証明書、本国の除籍謄本について
上記書類に関しては、韓国領事館で直接取得申請をするか、郵送で申請することになります。
最近では法務省の通達により、除籍謄本の収集が厳格化され非常に厳しく見られますので、しっかりと収集する必要があります。
このケースでは仮に申請者の生年月日が1960年だと仮定すると、1960年よりも前の除籍謄本が必要になります。
また、一度韓国人の男性と結婚していますので、本籍地が韓国人の男性の戸籍へと転籍していますので、結婚相手の前夫の戸籍も取得する必要があります。
その後、この男性とは離婚をしていますので、元の戸籍に戻ってきていますので、その戻ってきた戸籍も取得しなければなりません。
上述した通り、法務省の通達により除籍謄本の収集が厳格化していますので、年配の方などは除籍謄本の枚数が大量にでてくることもあります。
基本証明書などの申請用紙↓
基本証明書などの申請用紙は韓国領事館のHPからもダウンロードが可能です。
もちろん、直接韓国領事館に行っても申請用紙を取得することもできます。
無事に韓国領事館から書類を取得することができると、この書類を日本語に翻訳していく必要があります。
翻訳に関しては、正確に翻訳ができる者であれば第三者が翻訳をしても問題はありません。
ただし、第三者が翻訳をした場合においては、その者の住所、氏名、翻訳年月日を記載しなければなりません。
また、まれに遡る必要がある除籍謄本が古すぎることによって、除籍謄本を取得することができない場合もあります。
そのような場合においては、臨機応変に対応していかなければならないので、行政書士などの専門家に相談することをお勧めします。
除籍謄本については、以下の記事でも解説をしています。↓
パスポートについて
パスポートについては、原本を提出することはできませんので、コピーをとって提出することになります。
出生届記載事項証明書、死亡届記載事項証明書、婚姻届記載事項証明書、離婚届記載事項証明書、住民票について
上記書類については提出した役所に取得申請をします。
ただし、大阪市内で提出している場合などは広域で対応してもらえますので、市内であればどの役所でも取得することが可能です。
戸籍謄本について
戸籍謄本は取得すべき者の本籍地に請求する必要があります。
生計の概要を記載した書面について
生計の概要を記載した書面においては、夫婦の1ヶ月の収支を記載していきます。帰化申請をするための要件の一つに生計要件というものがあります。
これは簡単にまとめると、毎月の生活がマイナスではなく生活状況が安定していることが必要であるということです。
つまり、この書面には夫婦の給料などのプラスの収入の他、家賃や食費などのマイナスの支出を記載して1ヶ月の収支を申告することになります。
また、このケースではローンで不動産を購入していますので、どこで借入をしたのか、完済予定日はいつなのかなどを記載していきます。
生計の概要を記載した書面については、以下の記事で詳しく解説をしています。↓
給与明細書について
給与明細書は夫婦ともに必要になります。
また、明細書に会社名等が記載されていない場合は、社員証なども別途必要になることもあります。
源泉徴収票について
源泉徴収票も夫婦ともに必要になります。
納税証明書、課税(非課税)証明書について
納税証明書、課税(非課税)証明書についても夫婦ともに必要になります。
この書類については役所で取得することができます。
自動車運転免許証の写しについて
帰化申請社の運転免許証の表面、裏面両方のコピーが必要になります。
運転免許証についても原本を提出することはできませんので、コピーの提出で大丈夫です。
運転記録証明書について
自動車安全運転センターから運転記録証明書を取得します。
運転記録証明書とは過去5年間の間に交通違反歴があるかどうかを証明するものになります。
なお、この運転記録証明書は発行日から3ヶ月以内のものが必要になります。
郵送で請求する場合は手元に届くまで2週間程度かかります。
郵送での取得費用は670円です。
運転記録証明書については、以下の記事で詳しく解説をしています。↓
土地・建物登記事項証明書について
持ち家の場合は法務局で土地・建物登記事項証明書を取得する必要があります。いわゆる登記謄本と呼ばれるものです。
なと、賃貸の場合は賃貸借契約書が必要になります。
居宅付近の略図、勤務先の略図について
現在の住まいの地図と勤務先の地図が必要になります。
この地図には最寄り駅からのルートも記さなければなりません。
グーグルマップなどから引用して貼付けても提出は可能です。
この時に、申請者の名称、住所、電話番号、などを記載します。
また、近隣住民や勤務先の方が、申請者の国籍について知っているかどうかも記載することが求められます。
まとめ
特別永住者の方が帰化申請をする場合においては、上記書類を収集・作成する必要があります。
しかし、今回のケースは帰化申請の一例ですので、それぞれの生活状況によって必要な書類は異なってくることに注意が必要です。
特別永住者の帰化申請には、帰化の動機書などの一定の書類が免除されていますが、それでも書類の量は膨大になります。
最近では特別永住者の方の帰化申請から帰化の許可が降りる期間は早くなっている傾向がありますので、早ければ帰化申請後半年程度で許可がおりることもあります。
しかし、概ね申請から1年程度かかることもありますので、帰化申請をする場合は効率的に書類の収集・作成をしていく必要があります。
特別永住者(在日韓国人)の方の帰化申請の流れについて書いてきました。
帰化申請を検討している方は是非、参考にしてください。